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ACLS復習メモ・・・⑦ 心停止 [ACLS&BLS]

心停止の4つの波形
ここで言う心停止とは、アレスト(Arrest)とかフラット(flat)とよく言われる、モニター心電図が一直線になっている状態のことを指すのではありません。脈がなく、全身に血液を供給できない状態のことを言います。

ACLSで重要な、緊急の治療を要する4つの心電図モニター波形について考えてみましょう。

心停止(Cardiac Arrest Rhythm)とは、11月3日のACLS復習メモ・・・⑥ ACLSにおける心電図にも書いていますが、① Asystole(心静止)、② Pulseless Electrical Activity (PEA=無脈性電気活動) ③ VF(心室細動) ④ PulselessVT(脈なし心室性頻拍)の4つの波形のことを言います。
この4つの波形では、心臓が血液を全身に拍出することができないため、まずしなければならないことは胸骨圧迫です。
あ、もちろん胸骨圧迫に先駆けてprimary Surveyは必要ですよ。


① プライマリーサーベイ
意識がなければ人を呼び、呼吸の確認をして呼吸がなければ人工呼吸2回。
総頸動脈で脈拍を確認。なければ胸骨圧迫と人工呼吸を30対2で開始。
酸素があれば投与する。・・・・・この場合BVMでの人工呼吸を想定しています。

意識・A(airway)・B(breathing)・C(circulation)ときたら次はD(defibrillation)・・・つまり除細動となるわけで、ここまでをプライマリーサーベイとするんですが、除細動には適応があるので、意識がなく、呼吸と脈拍がなければ何でもすぐに除細動というわけにはいきません。
このときの波形が心室細動(ventricular fibrillation: VF)か脈なし心室性頻拍(ventricular tachycardia: VT)の場合のみ除細動(defibrillation: D)の適応になります。
人が集まり,救急カートや心電図計,除細動器がそろった際には,すぐに心電図を装着します。そして心電図波形を評価します。
そして適応があれば除細動を行います。
VFと無なしVTに対する早期除細動の必要性をBLSに持ち込んだ概念になります。

② セカンダリーサーベイ
BLSのprimary ABCD surveyに対して、ACLSではsecondary ABCD surveyへ進んでいきます。
A(airway)・B(breathing)はエアウェイや気管内挿管を用いたより高度な気道管理というわけですが、ここでは気管内挿管の実習はやりません。
十分に患者さんの胸郭が持ち上がる換気ができればいいのです。ただし、酸素投与は必ず行ってください。
C(circulation) 静脈路もしくは骨髄路の確保。適切な薬剤の投与や経皮ペーシングなどを行います。
D(Differential Diagnosis) 鑑別診断と治療可能な原因の検索です。
CPRを行いながら11個の病態を考えます。・・・・・G2000のコースではこの11個を覚えておかないと、よく言わされていました。
その中に治療をしたら劇的に状態が改善する病態があります。これは必ず見つけてあげなければいけませんよね。
それは、循環血液量減少・心タンポナーデ・緊張性気胸です。





患者さんの反応がなく、スタッフを集めてCPRを開始しながら酸素投与、静脈路確保、モニター装着を指示しました。
さて、モニターをつけたら波形がフラットでした。さあどうしましょう。









心電図を装着してまっすぐな直線(flat line)だったからといって、すぐに心静止と評価してはいけません。
もしかしたらそこには除細動が必要なVFやVTが隠れているかもしれないからです。
ここで行わなければならないことはG2000で『 Flat line protocol 』と呼ばれていたもので、本当に心静止(flat line)かどうかの確認です。なぜかというと、同じ心停止と呼ばれる状態でも治療の仕方が違うから。心静止の場合は薬剤投与をしながらCPRを続けていくしかないのですが、もし、VFやVTだったら除細動をすることによって心拍再開する可能性があるからです。
モニター電極装着を確認し、モニターの感度を上げる。そして誘導を変えることによって、隠れたVFが発見できるかもしれません。



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